鳥のまさに死なんとする、その鳴くや哀し。
人のまさに死なんとする、その言うや善し。
作家ではないけれど、陸軍中将栗林忠道が突撃前夜に硫黄島から大本営宛に送った
電文の字句は心を打つものが有る。
( )内は引用者。一部漢字を平仮名や常用漢字に改めた。
戦局最後の関頭に直面せり。
敵来攻以来、麾下の将兵の敢闘は真に鬼神を泣かしむるものあり。
特に想像を超えたる物量的優勢を以てする陸海空よりの攻撃に対し、
宛然徒手空拳を以ってよく健闘を続けたるは、小職自らいささか悦びとする所なり。
(この場合の「悦び」は、兵士の死を悼むと同義。)
然れども飽くなき敵の猛攻に相次いで斃れ、
為に御期待に反し此の要地を敵手に委ぬる他なきに至りしは、
小職の誠に恐懼に堪えざる所にして幾重にも御わび申し上ぐ。
今や弾丸尽き水涸れ、全員反撃し最後の敢闘を行はんとするにあたり、
つらつら皇恩を思い粉骨砕身もまた悔いず。
(「皇恩を思い云々」はこういう時の常套句。深い意味はない。)
(制空権を失った日本軍に、物資の援助は無かった。)
(「弾丸尽き水涸れ」は、大本営への控えめな抗議の表現。)
—以下略−
それにしても、文語とも言えない様なちょっと古い言い回しや、少し難しい漢字が全然
変換出来ない。オフィスが古いからなのかなあ?それとも、アメリカ人の発明品だからか?
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