【連続リレー小説】明和の男【著・明和民】 めいわのすいちゃんのスレ


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001 2024/02/10(土) 17:46:35 ID:qvRX3vKxtc
第1話 好きな芋煮


「前歯折るぞバーカ」っと…。

梅の蕾が目覚めの準備を始め、世間の人々は新しい季節を迎えようと世話しなく動いている。
頬を刺すような寒さの中、汗を流し働く労働者。鼻水とも汗とも分からないものがにじむ。
子供を送りパートにむかう婦人。前後に子供を乗せることのできる自転車は先月買った高価な電動のものだ。
次の取引先へと向かうのだろうか、パリッとしたスーツを身にまといスマホを片手に話ながら先を急ぐサラリーマン。いや、サラリーマンの様に見える詐欺師かもしれない。電話の内容は風俗の予約かもしれない。
向かう先も目的も別々だが人々は動いている。人間は血液なのだ。

つづく

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002 2024/02/10(土) 17:49:50 ID:qvRX3vKxtc
明和水産
世間からも知られず、それでいてなぜか人生の負け組が自然と集まるインターネット掲示板。

兵庫県の片田舎に柏原という地がある。農業が主な産業であり辺り一面田んぼが広がる。
町のシンボルである柏原八幡神社は地元の人からは「かいまんさん」と親しまれ、柏原の誇りだ。
それを支えるかのように、麓には城下町の名残を残す古い町並み。初めて来た者にも何か懐かしさを感じさせる。
町の中心を走るJR柏原駅は田舎ながら多くの住民の足を支えている。

「典男、ご飯できたでよ。おりといで。」

特別な返事もなく、他愛な会話もなく、典夫は年老いた母親が作った質素な芋煮で白米を食べる。
世間では芋煮がおかずにならないことは典男も分かっている。家は貧乏、自分も無職。あまり何かを言える立場ではない。ただそれを食べるしかなかった。
しかし子供のころからこれで育ってきた体はそれに適応をするのだ。ただ昔から味付けは少し濃い目だった。

テレビでは新年におこった震災のニュースも少なくなり、昨日も見たような芸人が何かを言ったと思えば、周りの芸能人が笑っている。テレビから聞こえる笑い声、それ以外は何も聞こえない。
6畳ほどの食卓はいつのまにかファンヒーターも消えていた。
二人にはやや大きい冷蔵庫、何年も使っていない食器が並ぶ棚、テーブルの上には古びた電子レンジ。壁は長年の汚れとも色褪せたとも言えるくすんだ色をしている。
冷蔵庫には醤油、電池、卵と書かれたメモと磁石がついていた。

「あんた、今日は職安行ったんか?」

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003 2024/02/10(土) 17:52:19 ID:qvRX3vKxtc
典男の食事が終わるのを見計らったかのように母親がたずねた。典男はテレビから目をはなさず、さも母親が存在していないかのようにふるまった。そんな典男にはテレビの内容はおろか音も何も頭に入って来なかった。

典男は何も言わず二階の学習机がある自分の部屋に戻った。やることはない。
しいて言うならば5年前にアルバイトで貯めた金で買ったパソコンでアダルトサイトを見る。そして明和水産だ。

典男は今日も明和水産にアクセスする。そして適当にレスし人気コテへ悪態をつく。決して自分でどうしようともせず、決して主役にはなれず、昨日と変わらず。

明日も変わらないと思っていた。

典男は悪態をつくために、いつものように人気コテのスレを探していた。それしか生き甲斐がないのだ。
そんなとき、見慣れないコテの書き込みが目についた。



【俺がスコブ(酢昆布)だ!文句があるのか!?】
001 酢昆布(スコブ) 2024/02/09(金) 20:33:18 ID:I63117oMG2
言いたいこと書いてみろよ!


「…これ、親父じゃね?」



続きは誰かが書いてください。面白いストーリー期待してます。よろしく。

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004 2024/02/10(土) 18:28:01 ID:8XC1OgwxB2
 社会に負けてはいても
人生では勝利してるワニじゃろ明和の漢達ワニわ

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