中北浩爾『日本共産党』

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中北氏は、昨今の旧統一教会（世界平和統一家庭連合）と自民党との関わりを考える上でも、日本共産党に対する理解が役立つと言う。

「統一教会は『反日』的な教義を持っていますが、にもかかわらず自民党の少なくとも一部が組んだ。『反共』という共通の目標を持っていたからです。
ではなぜそこまで反共が重要だったのかというと、ロシア革命以降、とりわけ第二次世界大戦後は、共産主義が強い影響力を持った時代でした。
冷戦の下、世界では一つの極としてソ連が超大国として君臨し、日本でも共産党の存在は大きかった。しかも、1950年代前半、日本共産党は武装闘争を行いました。
こうしたなか、自民党は1955年、共産党や『容共』的とみなされた社会党に対抗するために結成されたのです。その立役者で初代の自民党幹事長を務めたのが、安倍晋三元総理の祖父の岸信介氏でした。

今後の日本政治を展望するうえでも、共産党は重要です。なぜ野党共闘は行き詰まっているのか。どういった政策が、他の野党と協力するうえで障害になっているのか。
日本でも格差が深刻化しているのに、左派が弱いのはなぜか。どうすれば打開できるのか。
ぜひそういった日本政治にまつわる問題を考える糸口として、本書を手に取っていただければと思います」（中北氏）

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