芥川龍之介 「歯車」
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001 2011/01/31(月) 21:25:20 ID:GbRAYaJDRQ
「僕」と語る主人公がレエン・コオトを着た幽霊の話を耳にする。特に気にしないでいたものの、
その後事あるごとにレエン・コオトが現れ、「僕」を悩ませる。
後になって、このレエン・コオトは義兄・西川豊が轢死したとき身に着けていたことを知る。
僕」は表面上はごく自然に振る舞っているが、奇妙な暗示と符合はレエン・コオトのみに留まらず、
赤光、黄色いタクシー、黒と白、もぐらもち、翼、火事、復讐の神などが繰り返し現れる。
やがて視界には半透明の歯車が回りだし、その数を増し、あとから激しい頭痛に襲われる。
「僕」がそれらの不可解な暗示を恐れ、心理的な迷路の中でさまよい、もがき苦しむ様子が淡々とした語り口で描かれている。
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002 2011/01/31(月) 23:02:23 ID:A5kpqTK5JQ
003 2011/01/31(月) 23:45:22 ID:tVxiNz5XcQ
>>1 描写が細かくて、思わず惹きつけられるよね。
ただ何を言いたかった作品だったのか思い出せない、発狂の予感を暗示した作品だったような気がする。
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004 2011/01/31(月) 23:51:12 ID:kPw5BBrhIE
心身共に衰弱してる時に外出したり人と会ったりするのはよろしくない。
でも私小説の歯車はそんなことから出来上がった話だけど。
芥川もちゃんと休養して治療してたら、再び何らかの人生があったはず。
愛妻の文ちゃんや子供たちを置いてきぼりにしやがって…
でも実際に経済苦もあったらしいね。
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005 2011/01/31(月) 23:56:49 ID:tVxiNz5XcQ
>>4 経済的に困ってたの?
大学に勤務してたり、朝日新聞に関わってたり金持ちのイメージがあったよ。
当時全盛のプロレタリア作家に、ブルジョワ階級であることを批判されて、深刻に気に病んでたくらいだったしさ。
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006 2011/02/01(火) 01:00:14 ID:Us/efHo6FI
007 2011/02/01(火) 14:27:28 ID:UIK84iwAhk
心がぐにゃぐにゃしてる感じが恐ろしい程伝わってくる。
内田百聞は親友芥川のこんな状況に遭遇して、自己を見つめすぎるのを辞めたんだと思う。
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008 2011/02/03(木) 10:48:25 ID:Ni81nTeU0c
百間先生は芥川が自殺する2日前くらいに金を借りに行ってるよ、例によってw
妙にぼーっとしていて金をつまむ指先がおぼつかない感じだったからおかしいなあ?って思った程度だったらしい
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009 2011/02/04(金) 22:04:07 ID:fAVMlnKDT6
晩年の芥川作品が好き。
特に「歯車」と「蜃気楼」。
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010 2011/02/20(日) 01:52:36 ID:YCO0byupi2
古本屋で戦前の国語の教科書を買ったんだけど
芥川も掲載されてて、でも作品は『槍ヶ岳記』なんだよね。
チョイスがすげえ。
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011 2011/02/23(水) 09:53:03 ID:Ii5DhLU4tQ
>>8 金の工面にこまった百饟が
芥川に金を借りに行ったところ、
睡眠薬でぐだぐだになった芥川が金の沢山入った箱を持ってきて
「好きなだけもって行け。」
それを見て、心配した百饟が「君、薬をやめたほうがいいよ」
と言ったところ「君だって酒を飲むじゃないか」と返されたとか
百饟の随筆にあるし、それを中島らもがエッセイで紹介してたがイイエピソードだなぁ
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012 2011/02/23(水) 12:34:30 ID:kFT4qCbWoM
太宰とか芥川を見ると、「ああ、俺はしっかり生きなきゃいかんな」という反面教師になる。
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013 2011/03/10(木) 18:44:07 ID:v58mIfrl0.
014 2011/03/11(金) 17:36:26 ID:bxMHoMLftc
文章はどうあれ、人生については二人とも…
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015 2011/03/24(木) 11:39:13 ID:qZOb/c/gsk
>>13 ふん、くだらん。
あの二人の薄っぺらな苦悩なんぞ、ウエイトトレーニングでもすりゃあ吹き飛ぶのよ。
だいたいお前は「見習った方が良い」とほざくが、お前自身はどう生きているんだ?
「生まれてすいませ〜ん」と泣きながら暮らしているのか?
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016 2011/03/24(木) 15:08:26 ID:98.D7il/ns
>>15 三島だね。
確かに運動しちゃえば吹き飛んだかもしれないね。
けど、ああいう感じでいるのが本人達は好きなんだよ。
芥川は崩れて行く自分を冷徹に見つめる目があったから作品に昇華できたんだと思う。
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017 2011/03/24(木) 17:22:04 ID:qZOb/c/gsk
しかし、なんで作家は崩れて行く人が多いのかね?
五木寛之に言わせると、それだけ辛い仕事だという話なんだが。
けど逆じゃないか?
もともと崩れて行く資質を持った人が、単に作家という職業を選択した気がするんだが。
でも勇気を持ってそういう苦悩と立ち向かう作家も存在するんだよ。
俺としては、そういう人に魅力を感じる。
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018 2011/03/25(金) 00:58:36 ID:uGZAP8SQ9c
>>15,16
運動すれば吹きとぶなんて、それこそ三島の文学を馬鹿にしてる。
三島は兵役に落ちた肉体的コンプレックスを肉体で表現しようとして
結局精神的な終息をもとめたわけですし、
プラトン哲学のように肉体を一つのプロセスとは考えた割に、
それには表層的な伝達手段以上の固執をしていない。
金閣寺なんてまさにその象徴だと思うし、海外ブランドに拘った晩年はその逆説。
翻って芥川なんかはウパニシャッドな空気を勉強してるから
この世の苦界を理性的に理解してるし、自殺も肯定してる(自活)。
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019 2011/03/25(金) 01:34:25 ID:oZfv7QK30s
>>18 俺は三島の文学なんぞ興味はない。少し読んで止めた。
ってか、文学その物に興味がない。お前さんの小難しい理屈もどうでもいい。
ただ、三島の生きる姿勢は脱帽する。
ホモだの右翼だの切腹だのは関知しない。彼を素晴らしいと感じる部分は、理屈だけで終わらせようとせず、きちんと行動で示す所だ。
だいたい「薄っぺらな苦悩なんぞウエイトトレーニングでもすりゃあ吹き飛ぶ」と書いたのは、俺が三島信者だからではない。
丸山健二先生の言葉であり、生きる姿勢だからだ。
知らなければぐぐれ。
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